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第2章-③変額保険の約款

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変額保険の約款

1.契約日

変額保険の契約日は、責任開始期の属する月の翌月1日です。


契約日を基準とした取り扱い

被保険者の契約年齢の計算、②保険期間の起算日、③特別勘定資産の運用実績の反響開始は、すべて契約日が基準となります。


責任開始期の取り扱い

定期保険の場合と同じであり、責任開始期から契約日の前日までの間に保険金を支払う事由が発生し、保険金を支払う場合には、責任の開始する日を契約日とみなします。


2.特別条件付契約の取り扱い

特別条件付契約

定期保険と同様に、被保険者の健康状態によっては、他の契約者との公平性を保つために、「保険料の割増」や「保険金の削減」などの特別な条件を付けて契約を引き受ける場合があります。
特別保険料(割増保険料)・・・一般勘定で管理されます。
保険金の削減・・・削減期間中、契約日からの経過年数に応じて、基本保険金額の所定割合を削減しますが、変動保険金額の削減は行いません。


3.クーリング・オフ(契約撤回請求権)の取り扱い

変額保険は定期保険と同様に、クーリング・オフを取り扱います。
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4.保険料の払い込み

(1)保険料の払い込み

払込方法(回数)・・・定期保険と同様に月払、半年払、年払および一時払の4種類があります。また前納も取り扱います。
払込方法(経路)・・・定期保険と同様に口座振替扱、団体扱、集金扱などを取り扱います。


(注)
1.払込方法については、前記と異なる取り扱いをする生命保険会社もあります。
2.前納および一括して払い込んだ保険料のうち、払込期月が到来していない保険料部分は、一般勘定で管理し、払込期月が到達した保険料のうち、将来の保険金支払いのために必要な部分を特別勘定へ振り替えます。


(2)保険料の払込猶予期間

保険料の払込猶予期間は月払、半年払、年払とも、払込期月の翌月初日から末日までです。


(3)自動延長(定期)保険への変更

保険料払込猶予期間を過ぎても保険料の払い込みがない場合で、所定の解約返戻金があるときは、猶予期間満了日の翌日から定額の延長(定期)保険に自動変更する取扱いを行います。
定額保険のような(自動)振替貸付は行いません
変更後は特別勘定による運用は行いません


(注)
1.生命保険会社によっては、(自動)振替貸付を取り扱います。
2.特別条件付契約については、特別保険料(割増保険料)払込期間中の変更は行いません。また、保険金の削減期間中の変更の取り扱いは生命保険会社によって異なります。


自動延長(定期)保険の保険金額・・・保険料払込猶予期間満了時の死亡・高度障害保険金額とします。


延長期間・・・延長期間も猶予期間満了時の解約返戻金で計算されます。


生存保険金・・・計算上の延長期間が元契約の残存保険期間または残存保険料払込期間を超えるときは、実際に適用される延長期間を元契約の保険期間満了時または保険料払込期間満了時にとどめ、その満了時まで生存したときは、満了時に生存保険金を支払います。


各種特約が付いた契約の場合・・・その特約部分は変更後に消滅します。
(注)定期保険特約が付加されている場合はその保険金額も含みます。また、契約者に対する貸付がある場合には、その元利金を差し引いた額を保険金額とします。


変更の取り消し・・・自動延長(定期)保険に変更後3か月以内かつ自動延長(定期)保険の保険期間に未払保険料および生命保険会社所定の延滞利息の払い込みが行われた場合には、元の保険契約が有効に継続していたものとして取り扱います。


解約や払済保険への変更・・・自動延長(定期)保険に変更後3カ月以内かつ自動延長(定期)保険の保険期間内に解約や払済保険への変更の申し出があった場合も、自動延長(定期保険)に変更しなかったものとして、その請求による取り扱いを行います。


(4)失効・復活

失効・・・保険料払込猶予期間を過ぎても保険料の払い込みがない場合で、解約返戻金がないなどの理由から自動延長(定期)保険への変更ができないときには、契約は失効となります。


復活・・・定額保険では、通常失効後3年が手続きの期限ですが、変額保険については、3ヵ月となっています。
具体的には、(1)告知書の提出、(2)生命保険会社の承諾、(3)延滞保険料と生命保険会社所定の延滞利息の払い込みなどの手続きが必要です。


復活時の死亡・高度障害保険金額・・・復活後は変額保険として継続しますが、復活時の死亡・高度障害保険金額は、失効期間中も保険料が払い込まれたものとして計算した基本保険金額と変動保険金額の合計金額とします。復活時の変動保険金額がマイナスの場合には、基本保険金額が復活時の死亡・高度障害保険金額となります。

(注)
1.生命保険会社によっては、復活可能期間の取り扱いが異なります。
2.生命保険会社によっては、復活時に診査を必要とする場合があります。


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5.契約者貸付

貸付限度・貸付利率・・・契約者貸付は、定期保険の場合と同様、生命保険会社ごとに解約返戻金の所定の範囲内で限度額が決められ、その貸付金には生命保険会社所定の利率で計算した利息がかかります。


契約者貸付と積立金・・・契約者貸付を行った場合の貸付金と同額の積立金については、貸付金とその利息が返済されるまでの間、特別勘定資産の運用実績にもとづく計算を行うのではなく、別途生命保険会社所定の利率により運用されます。


貸付を受けた場合と受けなかった場合とでは、支払われる死亡・高度障害保険金額や満期保険金の金額が異なります。


(注)
1.貸付金の支払いが、資産の運用に及ぼす影響が大きいと生命保険会社が認めたときは、最長6ヵ月の範囲内で貸付を行わないことがあります(取扱延期条項)。
2.超過貸(貸付元利金が解約返戻金を上回ること)とならないように毎月、月始に判定を行います。超過貸となる場合、契約者宛失効予告通知を発送した翌月末日までの猶予期間中に、生命保険会社所定の金額の払い込みがない場合は、猶予期間末に再判定したうえで失効となります。


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6.解約

解約返戻金について・・・次の(ア)基本保険金額分および(イ)変動保険金分の合計額となります。
(ア)基本保険金額分:保険料払込年月数などにより計算した金額。
(イ)変動保険金額分:解約請求日の積立金額から、基本保険金を支払うために必要な金額を控除した金額。
したがって、上記(イ)の金額がマイナスとなる場合の解約返戻金は(ア)の金額を下回ります。


解約返戻金の額・・・契約年齢、保険期間、経過年数、運用実績などにより異なりますが、一般に最低保証はないので、払い込まれた保険料に比べて少額となることがあります。

特に、契約後短期間の払い込みで解約したときの解約返戻金は、定期保険と同様に、全くないか、あってもごくわずかです。


解約請求日について・・・本社(本店)または支社で解約請求書類を受け付けた日となります。

(注)解約返戻金の支払いが、資産の運用に及ぼす影響が大きいと生命保険会社が認めたときは、最長6ヵ月の範囲内で解約返戻金の支払いを延期する場合もあります(支払延期条項)。その場合は、生命保険会社所定の利息を付けて支払います。


7.諸変更

(1)定額保険への変更

変額保険から定額保険への変更は、変額保険の契約日から起算して3ヵ月以内に限り認められ、変更後は、契約当初から基本保険金額と同額の定額保険に加入していたものとして取り扱います。


保険料について・・・変額保険加入時における定額保険の計算基礎が適用され、保険料の差額が清算されます。


特別配当金について・・・長期継続契約に割り当てられる特別配当金は、変額保険加入時の契約日が起算点となります。


変更後の定額保険の効力・・・生命保険会社所定の変更請求書類を生命保険会社が受け付けた日から生じます。


変額保険への復旧・・・定額保険へ変更後、変額保険に復旧(復帰・復元)する取り扱いはできません。


(2)払済保険への変更

払済保険への変更請求書類を生命保険会社が受け付けた日の解約返戻金を使って、払済保険へ変更する取り扱いを行います。


変更後の払済保険の効力・・・変更請求書類の受付日から生じます。


変額保険への復旧・・・払済保険への変更後、変額保険に復旧(復帰・復元)する取り扱いはできません。


(3)定額延長(定期)保険への変更

延長(定期)保険の保険金額は、延長(定期)保険への変更請求書類を生命保険会社が受け付けた日の死亡・高度障害保険金額とし、延長期間も同日の解約返戻金によって計算されます。
変更後の定額延長(定期)保険の効力・・・変更請求書類の受付日から生じます。


計算上の延長期間が元契約の残存保険期間または残存保険料払込期間を超えるときは、実際に適用される延長期間を元契約の保険期間満了時または保険料払込期間満了時にとどめ、その満了時まで生存したときは、満了日に生存保険金が支払われます。


変額保険への復旧・・・延長(定期)保険へ変更後、変額保険に復旧(復帰・復元)する取り扱いはできません。


(注)(2)(3)共通・・・変更した月の末日までに死亡・高度障害または保険料払込免除となった場合には、変更請求がなかったものとして取り扱います。


(4)減額

基本保険金額を減額する場合には、同じ割合で変動保険金も減額されます。


変動保険金のみの減額は取り扱うことができません。


減額部分については解約されたものとして、解約返戻金があれば支払います。
一度減額すると、元の保険金額に復旧(復帰。復元)はすることはできません。


(5)保険料払込方法(回数)の変更

月払、半年払、年払相互間の変更を取り扱います。


(6)保険期間・保険料払込期間の変更

取り扱いはできません。


(注)前記諸変更(1)~(6)については、生命保険会社によって異なることがあります。
(注)生命保険会社によっては、定額保険から変額保険への転換、変額保険から定額保険の転換を取り扱うところもあります。

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ここまでを問題形式で復習してみよう!

第1問 次の説明が正しいか否かを答えてください。

~問題文1~
変額保険の契約日は、責任開始期の属する月の翌月1日です。

~問題文2~
被保険者の契約年齢は、契約日をもって計算し、この日を保険期間の起算日とします。したがって特別勘定資産の運用実績もこの日から反映されます。

~問題文3~
責任開始期から契約日の前日までにの間に保険金を支払う事由が発生し、保険金を支払う場合には、責任の開始する日を契約日とみなします。

~問題文4~
特別条件付契約の取り扱いについては、被保険者の健康状態によっては他の契約者との公平性を保つために、「保険料の割増た」や「保険金の削減」などの特別な条件をつけて契約を引き受ける場合があります。

~問題文5~
変額保険は、クーリング・オフの取り扱いがありません。

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~問題文6~
変額保険の保険料の払込方法(回数)については、月払、半年払、年払の3種類があります。

~問題文7~
変額保険の保険料の払込方法(経路)については、定額保険と同様に口座振替扱、団体扱、集金扱などを取り扱います。

~問題文8~
変額保険の保険料の払込猶予期間は、月払、半年払、年払とも払込期月の翌月初日から末日までです。

~問題文9~
変額保険の自動延長(定期)保険への変更は、保険料払込猶予期間を過ぎても保険料の払い込みがない場合で、所定の解約返戻金があるときは、猶予期間満了日の翌日から定額の延長(定期)保険に自動変更する取り扱いを行います。

~問題文10~
変額保険で、自動延長(定期)保険に変更となる場合、もともと特約がついた契約の場合には、その特約部分は変更後消滅します。

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~問題文11~
変額保険において契約が失効し復活をする場合、定額保険では、通常失効後3年が手続きの期限ですが、変額保険については6ヵ月となっています。

~問題文12~
変額保険の復活方法については、具体的には、告知書を提出し、生命保険会社の承諾を得るとともに、延滞保険料と生命保険会社所定の延滞利息を払い込むなどの手続きが必要です。復活後は変額保険として継続しますが、復活時の死亡・高度障害保険金額は、失効期間中も保険料が払い込まれたものとして計算した基本保険金額と変動保険金額の合計金額とします。

~問題文13~
契約者貸付は、定額保険の場合と同様、生命保険会社ごとに解約返戻金の所定の範囲内で限度額が決められ、その貸付金には生命保険会社所定の利率で計算した利息がかかります。

~問題文14~
契約者貸付を行った場合の貸付金と同額の積立金については、貸付金とその利息が返済されるまでの間、特別勘定資産の運用実績にもとづく計算を行います。

~問題文15~
変額保険の解約返戻金の額は、契約年齢、保険期間、経過年数、運用実績などにより異なりますが、一般に最低保証はありませんので、払い込まれた保険料に比べ少額となることがあります。

~問題文16~
変額保険の解約請求日は本社(本店)または支社で解約請求書類を受け付けた日です。

~問題文17~
変額保険から定額保険への変更は、変額保険の契約日から起算して3年以内に限り認められ、変更後は、契約当初から基本保険金額と同額の定額保険に加入していたものとして取り扱います。

~問題文18~
変額保険から定額保険へ変更後、また変額保険に復旧(復帰・復元)する取り扱いはできません。

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~問題文19~
変額保険から払済保険への変更については、請求書類を生命保険会社が受け付けた日の解約返戻金を使って、払済保険へ変更する取り扱いを行い、効力もその変更請求書類の受付日から生じます。なお、払済保険へ変更後は、変額保険に復旧(復帰・復元)する取り扱いはできません。

~問題文20~
延長(定期)保険の保険金額は、延長(定期)保険への変更請求書類を生命保険会社が受け付けた日の死亡・高度障害保険金額とし、延長期間も同日の解約返戻金によって計算されます。また、効力もその変更請求書類の受付日から生じます。

~問題文21~
基本保険金額を減額する場合には、同じ割合で変動保険金額も減額されます。

~問題文22~
変額保険は、変動保険金額のみの減額も可能です。

~問題文23~
一度減額すると、元の保険金額に復旧(復帰・復元)することはできません。

~問題文24~
変額保険の保険料払込方法(回数)の変更について、月払、半年払、年払相互間の変更の取り扱いがあります。

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第2章-④変額保険と税へ

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